HHKB StudioはCherry MX互換キースイッチを採用しているため、市販されているCherry MX互換のキーキャップセットを利用できるとされていました。 またスペースバーに一工夫あるために、ちょっとしたトレードオフで多くのキーキャップセットが利用できると推測されていました。 さらにB, G, Hキーにまたがるポインティングデバイスのために、その部分に付いては加工が必要だとされていました。 ただこれはいずれも理論であって、実際にできるのかはわかっていなかったので、やってみたという話しです。
キーキャップの選定は以下の条件で行いました。
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個人的な好みでCherryプロファイル
HHKB Studio自身はOEMプロファイル相当ですが、好みを優先してCherryプロファイルとしました。
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HHKB Studioに取り付けるのに十分なキーの種類と数があること
ポイントとしては、R1列の
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キー、R3の1.75uのControlキー、R4の1.75uのShiftキー。 この3種が揃っていればHHKB Studioで使うにはだいたいのケースで十分です。 -
加工が前提なので失敗してもダメージが少ないように安いモノ
以上から遊舎工房で取り扱われていた2,750円という格安の製品に決めました。 残念ながら現在この商品は完売しています。 次の写真は実際に購入したキーキャップセットから、HHKB Studioに使用する分を取り出したものです。
ここでHHKB Studioのスペースバーについて一講釈。
HHKBのスペースバーは通称 6u といい、通常のキー6個分の幅があります。 対して一般のキーボードのスペースバーの幅は 6.25u であり、HHKBの 6u は全体からみたらマイナーです。 そのため Cherry MX 互換品でHHKBのレイアウトを完全再現しようとすると、 キーキャップや上下動作を安定させるスタビライザーの入手が困難で比較的高価になります。
そこでHHKB Studioでは 6u 幅でありながらスタビライザーは 6.25u という、 Cherry MXの規格では存在しないスペースバーをでっちあげて利用しています。 この規格に存在しないスペースバーを採用するメリットは、 スペースバーの左右にある 1.5u 相当のキーキャップを 1.25u 以下に変更すれば スペースバーに 6.25u の規格品を流用できるということにつきます。
このHHKB Studioの工夫により、多くの市販のCherry MX互換キーキャップセットを利用できます。 といういことで実際に交換してみたのが以下の写真です。 一部の空間が広がってしまいますが、無加工の 6.25u のスペースバーがHHKB Studioに装着できることがわかるでしょう。
次にポインティングデバイスがある B, G, H キーの部分を加工します。
次の写真では3つのキーキャップを固定し、穴等の加工サイズを計測しました。 貫通穴は直径約9mmで、G, H キーにある面取り加工はおおよそ14mmといったところ。 円定規と鉛筆でおおよそのアタリを付けました。
加工にはプロクソンのミニルーターセットケース付き No.28525-SK (Amazonアリフィリエイト)を買って使用しました。 また実際の加工時には手袋を着用しましょう。 私は着用していたおかげで事故からの惨事を免れました。
加工は現物合わせをしつつ少しずつやると良いでしょう。
次の写真はBキーの加工後半の様子です。 このあともう少し削って仕上げてます。
次の写真はGキーの貫通穴加工が終わり、実際に取り付けてみたところです。 この程度でも利用はできますが、Gキーの角は面取りで落としたほうがより良いと実感できました なおGの側面に入ってるのは前述の事故によるものですが、キーキャップがとても安いので心理的ダメージはありません。
次の写真は3つのキー全ての穴開け加工が終わり取り付けてみたところと、 面取りまで終えた写真が続きます。 このあと加工したキーキャップを洗浄して取り付けます。
次の写真は元々のキーキャップを取り外したところと、新しいものに付け替えたところです。 なおキースイッチは Kailh Deep Sea Silent Box Switch Whale に交換済みです。 このキースイッチは元々のキースイッチに近い構造でありながらタクタイルになっており、比較的静電容量スイッチのタイプ感覚に近いものです。 ただそれでもタイプ感覚は静電容量スイッチとは違うので、個人的には程よい妥協点と考えています。
以上のような手順により、市販のCherry MX互換のキーキャップセットを加工してHHKB Studioに取り付け、利用できることがわかりました。 多少の妥協は必要ですが、是非自分好みのキーキャップをHHKB Studioに取り付けて楽しんでみてください。